2007年8月30日木曜日

フライト・オブ・フェニックス

それは、毎度お決まりの無難な仕事のはずだった。貨物飛行機の操縦士フランクは、閉鎖された石油採掘所のスタッフと廃材を運ぶため、ゴビ砂漠上空を飛行していた。が、突如発生した巨大な砂嵐により、アンテナと左翼エンジンが損傷、やむなく砂漠のど真ん中に不時着する。着陸のショックで激しいダメージを受けた機体はもはや離陸不可能、外部からの救援を待つしかなかった。しかし、コスト削減のため採掘所を閉鎖した本社が、彼らの捜索部隊に予算を費やすとは考えにくかった。奇しくも時期は7月、ゴビ砂漠が1年のうち最も暑い季節であった。苛酷な環境、残り少なくなっていく物資、そして砂漠に群生する武装集団による襲撃……数々の困難に直面しながら、彼らは生き延びるために残された唯一の道を辿ることになる。まさに"不可能"としか思えない道、それは、機体の残骸から新しい飛行機を造り、この砂漠を脱出することだった――。

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